Pythonでゼロ埋めを行う方法｜zfill(), format(), f文字列の使い方を徹底解説！

By 佐川 直弘 | Naohiro Sagawa (運営者)

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1. はじめに

Pythonでは、数値や文字列をフォーマットする際に「ゼロ埋め（ゼロパディング）」を行うことがよくあります。ゼロ埋めを活用すると、数値データの桁数を統一したり、フォーマットを揃えたりすることができます。たとえば、数値「5」を「005」のように表現することで、データの視認性を向上させたり、特定のフォーマットに適合させたりできます。

本記事では、Pythonでゼロ埋めを行うさまざまな方法を解説し、それぞれの使いどころや注意点について詳しく説明していきます。初心者の方にもわかりやすいように、基本的な方法から応用例まで紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

1.1 ゼロ埋めとは？

ゼロ埋めとは、特定の桁数に足りない場合に、前に「0」を追加して桁数を揃える処理のことを指します。たとえば、以下のようなケースで使用されます。

• 数値を一定の桁数に揃える（例: 7 → 007）
• ファイル名やデータのフォーマットを統一する（例: image1.png → image001.png）
• 日付や時刻の表記を統一する（例: 3:5 → 03:05）

Pythonには、ゼロ埋めを行うためのいくつかのメソッドが用意されており、用途によって適切な方法を選ぶことが重要です。

1.2 Pythonでゼロ埋めが必要になる場面

Pythonにおいてゼロ埋めが必要になる場面は以下のようなケースが考えられます。

1.2.1 数値データをフォーマットする場合

• IDやコード（商品番号、会員番号など）を統一するため
• 一定の桁数で数値を出力するため

1.2.2 ファイル名やデータの整形

• 画像ファイルやログファイルの番号を統一する
• ソート時に正しく並ぶようにする（例: file1 → file001）

1.2.3 時間や日付データのフォーマット

• datetimeオブジェクトを使って日付を出力する際に、ゼロ埋めを行う
• 2桁の表記を維持する（例: 2024-3-5 → 2024-03-05）

1.2.4 プログラムの出力フォーマット

• 画面表示やログのフォーマットを統一する
• UI上の数値表示を揃えて読みやすくする

1.3 本記事の構成

この記事では、Pythonでゼロ埋めを行うさまざまな方法について、次の順序で解説します。

1. Pythonのゼロ埋め：おすすめの方法

• zfill()、rjust()、format() などの具体的な使用方法

1. ゼロ埋めを行う際の注意点

• zfill() と rjust() の違いやパフォーマンスの比較

1. 実務で役立つゼロ埋めの使用例

• 数値データ、日時データ、他言語との比較など

1. ゼロ埋めに関するよくある質問（FAQ）

• よくあるエラーとその対処方法

1. まとめ

• 各手法の使い分けと最適な方法の選び方

2. Pythonのゼロ埋め：おすすめの方法

Pythonにはゼロ埋めを行うためのさまざまな方法がありますが、使用する場面やデータの種類によって適切な方法を選ぶことが重要です。本セクションでは、主に zfill()、rjust()、format()（およびf文字列）の3つの方法を詳しく解説します。

2.1 zfill() を使ったゼロ埋め（最もシンプルな方法）

zfill() は、Pythonの文字列メソッドの一つで、指定した桁数になるまで左側に 0 を追加します。最も簡単にゼロ埋めを行う方法の一つです。

基本構文

文字列.zfill(桁数)

使用例

num = "5"
print(num.zfill(3))  # 出力: 005

num2 = "123"
print(num2.zfill(5))  # 出力: 00123

符号付き数値の例

num = "-5"
print(num.zfill(4))  # 出力: -005

✅ メリット

• 簡単にゼロ埋めができる
• - や + の符号を維持する
• 直感的に使える

❌ デメリット

• 数値に直接適用できない（文字列変換が必要）

2.2 rjust() を使ったゼロ埋め（より汎用的な方法）

rjust() は、指定した桁数に達するまで左側を任意の文字で埋めることができるメソッドです。ゼロ埋め以外の用途でも活用できます。

基本構文

文字列.rjust(桁数, 埋める文字)

使用例

num = "5"
print(num.rjust(3, "0"))  # 出力: 005

✅ メリット

• zfill() よりも汎用性が高い（0 以外の文字も使える）
• 数値以外の文字列でも整形可能

❌ デメリット

• 数値に直接適用できない（文字列変換が必要）

2.3 format() と f文字列を使ったゼロ埋め

Pythonの format() メソッドや f文字列（f-strings）を使うと、より柔軟なゼロ埋めが可能になります。

format() を使う方法

"{:0N}".format(数値)

（N は桁数）

使用例

num = 5
print("{:03}".format(num))  # 出力: 005

f文字列を使う方法

f"{変数:0N}"

使用例

num = 7
print(f"{num:03}")  # 出力: 007

✅ メリット

• 数値型でも直接使用可能
• 柔軟なフォーマットが可能
• f文字列を使えば可読性が高い

❌ デメリット

• Python 3.6 以前では f文字列が使えない（format() を使う必要がある）

2.4 どの方法を使うべきか？（比較表）

2.5 まとめ

Pythonでゼロ埋めを行う方法は複数ありますが、用途に応じて適切なものを選ぶのが重要です。

• シンプルなゼロ埋め → zfill()
• ゼロ以外の文字でも埋めたい → rjust()
• 数値型でゼロ埋めしたい → format() または f文字列
• 小数点以下の桁数も揃えたい → format() または f文字列

3. ゼロ埋めを行う際の注意点

Pythonでゼロ埋めを行う方法は複数ありますが、適切に使用しないと意図しない動作やエラーが発生する可能性があります。本セクションでは、ゼロ埋めを使用する際の注意点について詳しく解説します。

3.1 zfill() は数値に直接適用できない

zfill() は 文字列専用のメソッド であるため、数値に直接適用するとエラーになります。

誤った使用例

num = 5
print(num.zfill(3))  # エラー: AttributeError: 'int' object has no attribute 'zfill'

正しい使用例（文字列に変換）

num = 5
print(str(num).zfill(3))  # 出力: 005

➡ 数値にゼロ埋めをする場合は、format() や f文字列を使うのがベスト。

3.2 zfill() の符号付き数値の扱い

zfill() を使う場合、負の数に対しては 符号が先頭に保持され、その後ろにゼロが追加 されます。

num = "-7"
print(num.zfill(4))  # 出力: -007

➡ 符号付きのゼロ埋めを行いたい場合は format() や f文字列を使い、符号を手動で処理する必要があります。

3.3 rjust() との違い

rjust() は、ゼロ以外の文字を埋めることができますが、 符号を考慮しない ため、符号付きの数値をゼロ埋めする用途には向きません。

num = "-5"
print(num.rjust(4, "0"))  # 出力: 00-5  (意図しない動作)

➡ 符号付きのゼロ埋めを行いたい場合は zfill() または format() を使用するべき。

3.4 format() や f文字列のゼロ埋め時の注意点

format() や f文字列を使う場合、適切なフォーマット指定をしないと、意図しない結果になることがあります。

整数のゼロ埋め

num = 5
print(f"{num:03}")  # 出力: 005

小数点を含む場合

num = 3.5
print(f"{num:06.2f}")  # 出力: 003.50

➡ 小数点を含む場合は、小数点以下の桁数も指定することが重要。

3.5 パフォーマンスの違い

大量データを処理する場合、どの方法を使うかによってパフォーマンスが変わります。

特に、大量のデータを処理する場合は f文字列の使用が推奨 されます。

➡ 大量データを処理するなら、f文字列 (f"{num:03}") が最適。

3.6 OSやPythonバージョンによる違い

一部のフォーマット関数 (strftime() など) は、OSによって異なる挙動をすることがあります。

from datetime import datetime

now = datetime(2024, 3, 5, 7, 8)
print(now.strftime("%Y-%m-%d %H:%M"))  # 出力: 2024-03-05 07:08

➡ Pythonの組み込みのゼロ埋めを使う場合、OSごとの違いに注意する必要がある。

3.7 まとめ

✅ zfill() は文字列専用で、符号付き数値にも対応するが、数値には直接適用できない
✅ rjust() はゼロ以外の文字も埋められるが、符号付き数値には不向き
✅ format() や f文字列は数値型に直接適用でき、最も柔軟でパフォーマンスが高い
✅ 小数点以下のゼロ埋めを行う場合は、小数点以下の桁数も指定する
✅ 大量データを処理する場合は、f文字列が最も高速
✅ strftime() のゼロ埋めは、OSによって挙動が異なる場合がある

4. 実務で役立つゼロ埋めの使用例

Pythonのゼロ埋めは、日常的なプログラミングや業務システムにおいて幅広く活用されます。本セクションでは、実務で役立つ具体的な使用例を紹介します。

4.1 数値データのゼロ埋め（会員番号・商品コードなど）

データベースや管理システムでは、IDや商品コードを一定の桁数で揃えるためにゼロ埋めを行うことが一般的です。

4.1.1 例：会員番号のフォーマット

member_id = "123"
formatted_id = member_id.zfill(5)
print(formatted_id)  # 出力: 00123

4.1.2 例：商品コードの統一

product_id = 42
formatted_code = f"{product_id:05}"
print(formatted_code)  # 出力: 00042

➡ IDやコードは一貫性を持たせるためにゼロ埋めを使用。
➡ zfill() は文字列用、format() は数値にも適用可能。

4.2 日時データのゼロ埋め（datetimeとの組み合わせ）

日時データをゼロ埋めして統一フォーマットで出力することもよくあります。

4.2.1 strftime() を使ったゼロ埋め

from datetime import datetime

now = datetime(2024, 3, 5, 7, 8)
formatted_date = now.strftime("%Y-%m-%d %H:%M")
print(formatted_date)  # 出力: 2024-03-05 07:08

➡ strftime() を使えば、自動的にゼロ埋めされた日時を取得可能。

4.2.2 f文字列 で手動ゼロ埋め

day = 5
month = 3
formatted_date = f"{2024}-{month:02}-{day:02}"
print(formatted_date)  # 出力: 2024-03-05

➡ f"{変数:02}" を使用すると、手動でゼロ埋め可能。

4.3 ゼロ埋めとスペース埋めの違い

ゼロ埋めの代わりに、スペースで桁数を揃えたいケースもあります。例えば、レシートや帳票の整形などで使用されます。

4.3.1 rjust() を使ったスペース埋め

text = "123"
formatted_text = text.rjust(5)
print(f"'{formatted_text}'")  # 出力: '  123'

➡ zfill() は 0 を埋めるが、rjust() は空白を埋める。

4.4 他言語（C言語、Java）とPythonのゼロ埋めの比較

Pythonと他のプログラミング言語でのゼロ埋めの方法を比較すると、Pythonの format() や f文字列の柔軟性が際立ちます。

4.4.1 C言語の場合

#include <stdio.h>

int main() {
    int num = 7;
    printf("%03d\n", num);  // 出力: 007
    return 0;
}

➡ C言語はフォーマット指定子 %03d を使うことでゼロ埋めが可能。

4.4.2 Javaの場合

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        int num = 7;
        System.out.printf("%03d\n", num);  // 出力: 007
    }
}

➡ Javaも printf("%03d") を使用するとPythonと似たゼロ埋めが可能。

✅ Pythonの利点

• format() や f文字列を使えば、より直感的に記述できる
• zfill() や rjust() など、文字列操作メソッドが豊富

4.5 まとめ

Pythonのゼロ埋めは、特に データ整形・フォーマット処理・日時管理 で役立ちます。

✅ 会員番号や商品コードのゼロ埋め

• zfill()（文字列用）、format()（数値用）を適切に使い分ける

✅ 日時データのゼロ埋め

• strftime() でフォーマット済みの日時を取得
• f"{変数:02}" で手動ゼロ埋めも可能

✅ ゼロ埋めとスペース埋めの違い

• zfill() はゼロを追加、rjust() は空白を追加

✅ Pythonのゼロ埋めは、他言語と比較してシンプルで柔軟

• format() や f文字列を使うと直感的にゼロ埋めができる

5. ゼロ埋めに関するよくある質問（FAQ）

Pythonのゼロ埋めについては、多くのプログラマーが共通の疑問を抱えています。本セクションでは、よくある質問をピックアップし、それぞれの回答を詳しく解説します。

5.1 zfill() と rjust() の違いは？

質問:
zfill() と rjust() の違いは何ですか？どちらを使うべきですか？

回答:
zfill() と rjust() はどちらも文字列を指定した長さに揃えるために使用できますが、次の点が異なります。

例

num = "-5"

print(num.zfill(4))  # 出力: -005
print(num.rjust(4, "0"))  # 出力: 00-5 （符号の位置が変わる）

➡ 符号付き数値にゼロ埋めをする場合は zfill() を使うべき。
➡ ゼロ以外の文字で埋めたい場合は rjust() を使う。

5.2 数値をゼロ埋めする際、文字列変換は必須？

質問:
数値型のデータをゼロ埋めする際に str() で文字列に変換する必要がありますか？

回答:
Pythonの zfill() や rjust() は 文字列メソッド なので、数値型 (int や float) に直接適用することはできません。そのため、str() で変換する必要があります。

例（文字列変換が必要な場合）

num = 7
print(str(num).zfill(3))  # 出力: 007

しかし、format() や f文字列を使えば、数値のままゼロ埋めが可能 です。

例（文字列変換不要）

num = 7
print(f"{num:03}")  # 出力: 007

➡ 数値をゼロ埋めするなら、format() や f文字列が最適。

5.3 datetime オブジェクトをゼロ埋めする方法は？

質問:
Pythonの datetime オブジェクトをゼロ埋め付きで出力する方法は？

回答:
datetime.strftime() を使うと、自動的にゼロ埋めされた日時を取得できます。

例

from datetime import datetime

now = datetime(2024, 3, 5, 7, 8)
print(now.strftime("%Y-%m-%d %H:%M"))  # 出力: 2024-03-05 07:08

また、f文字列を使って手動でゼロ埋めすることも可能です。

例

year, month, day = 2024, 3, 5
formatted_date = f"{year}-{month:02}-{day:02}"
print(formatted_date)  # 出力: 2024-03-05

➡ 日付をゼロ埋めするなら strftime() が便利。

5.4 エラーが発生する原因と対処法（ゼロ埋め時のエラー）

質問:
ゼロ埋めをしようとしたときにエラーが出ることがあります。考えられる原因は？

回答:
よくあるエラーとその原因、対処方法をまとめました。

例：エラーの対処方法

# エラーが出るケース
num = 7
# print(num.zfill(3))  # エラー発生

# 修正方法
print(str(num).zfill(3))  # 出力: 007
print(f"{num:03}")  # 出力: 007

➡ エラーが出る場合は、データ型 (int / str) を確認することが重要。

5.5 まとめ

✅ zfill() は符号付き数値のゼロ埋めに適している
✅ 数値のゼロ埋めには format() や f文字列が最適
✅ datetime のゼロ埋めには strftime() を使う
✅ f"{num:03}" が最速のゼロ埋め方法

6. まとめ

本記事では、Pythonにおけるゼロ埋めの方法について詳しく解説しました。ゼロ埋めは、数値や文字列のフォーマットを統一し、データの見やすさや整合性を向上させるために重要な処理です。最後に、記事のポイントを振り返り、状況に応じた適切なゼロ埋め方法を選べるように整理します。

6.1 Pythonでのゼロ埋め方法の比較

Pythonには複数のゼロ埋め方法があり、それぞれ適した用途があります。

✅ 数値にゼロ埋めをするなら、format() または f文字列が最適
✅ 符号付きのゼロ埋めをするなら zfill() が便利
✅ ゼロ以外の文字を埋めたい場合は rjust() を使う

6.2 具体的な使用例の振り返り

Pythonのゼロ埋めは、実務でさまざまな場面で活用されます。

✅ 会員番号や商品コードのゼロ埋め

product_id = 42
formatted_code = f"{product_id:05}"
print(formatted_code)  # 出力: 00042

✅ 日時データのフォーマット

from datetime import datetime

now = datetime(2024, 3, 5, 7, 8)
formatted_date = now.strftime("%Y-%m-%d %H:%M")
print(formatted_date)  # 出力: 2024-03-05 07:08

✅ エラー対策

num = 7
# print(num.zfill(3))  # エラー発生
print(str(num).zfill(3))  # 出力: 007
print(f"{num:03}")  # 出力: 007

6.3 パフォーマンスの観点

大量データを処理する場合、ゼロ埋めの方法によってパフォーマンスに差が出ます。

10万回のゼロ埋め処理時間（短い方が速い）

✅ 大規模データのゼロ埋めには f文字列を推奨
✅ zfill() は直感的に使えるが、パフォーマンス面では format() や f文字列が優秀

6.4 結論：状況に応じた最適なゼロ埋め方法

Pythonのゼロ埋めは、用途に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

🔹 初心者向けのシンプルな方法 → zfill()
🔹 数値にゼロ埋めするなら → format() または f文字列
🔹 符号付き数値を扱うなら → zfill()
🔹 ゼロ以外の文字を埋めるなら → rjust()
🔹 大量データを処理するなら → f文字列（最速）

本記事を参考に、Pythonでのゼロ埋めを適切に活用し、データのフォーマットを効率的に整えましょう！